創生デザイン学科

森宮 祐次|教授たちのメッセージ

Messages from Professors

「オープンラボ」で新たな視点を磨く アイデアは「引き出し」にしまわず、「庭」に蒔こう!

教授 森宮 祐次

見た瞬間欲しくなるもの。説明がなくても、本質がひと目で伝わるもの。「これを使うと楽しいだろうな」と思い、実際に使うと「よく考えられているな」と感じるもの。それは、"良いデザイン"の力です。私の専門の「プロダクトデザイン」は、そんな製品を企画し、制作を指揮する仕事です。

1980~90年代には、企業のプロダクトデザイナーとして、新製品開発の最先端にいました。86年、日本ビクターの家庭向けカムコーダー「ボーヤハント」でグッドデザイン部門賞・特許庁長官賞を、89年にソニーの「パスポートサイズ」8ミリビデオハンディカムでグッドデザイン大賞を、96年には脱矩形(だつくけい)デザインのテレビ「プラズマトロン」でグッドデザイン金賞をいただきました。

現在はスペックや機能の追求よりも、ユーザーに語りかけるような製品づくりをテーマにしています。光や影や音をインタラクティブに楽しめるもので、生活に新しさを生み出したいのです。2012年に特許庁長官賞をいただいた「acarine 001」は、西陣織に使われている銀糸のシェードからロウソクのような温かみのある灯りがこぼれ、同時にスピーカーとしてやわらかな音を聴かせます。また、富山県の夜祭り「風の盆」をイメージしたランプは、手漉き和紙を使った編み笠のようなシェードが少し斜め上を向き、触れるとやわらかな灯りがゆっくりともります。1分間経つと、その灯りがまたゆっくり消えていく。忙しい日常のなかに1分間、何も考えずに灯りを眺める時間を提供します。これらは今の照明機器の範疇に収まらない、新しい概念のものです。

こうしたテーマを学生たちにも投げかけて、新たな視点でものづくりを考えるきっかけにしてもらうために、「MYlab(マイラボ)」を運営しています。これは、いわゆる放課後活動。何をするかというと、製品開発のコンセプトを築き、プロトタイプを作ります。そして年度内に1~2回、他の学科の学生や企業の人にも参加してもらい、オープンラボを開きます。実際の事業や開発のヒントになることがあれば一緒に活動しましょう、という投げかけをする場です。目指しているのは産学協同ではなく、大学が主導する産業の未来、いわば「学導産来」です。

正規の授業は、必修科目として2年後期の「デザインスタジオⅠ」と3年後期の「プロダクトデザイン演習」、選択科目では2年後期の「商品企画」と4年前期の「商品化設計論」を担当しています。どれも商品の設計コンセプトに関わり、「何を作るか、何を作らないか」が大事になります。環境への優しさや、簡単に分解できること、材料やパーツをリサイクルすることなども考えなければなりません。また、皆に好かれるためにおしなべて良い点をとろうとすると、強い商品にはなりません。どこか突出している、とんがったところのあるものが強いのです。

学生の皆さんも同じです。優等生である必要はありません。設計は「人工」的な作業ですが、アイデアは「自然」な脳からわいてきます。豊かなアイデアを生み出すために、頭はノウハウをしまいこむ「引き出し」にしないほうがいい。むしろ、自然の「庭」のような状態がいいのです。きれいに刈り込まれた庭ではなく、何の種かわからないものもばらまいて、伸びてきた芽は摘み取らないこと。そうしてアイデアを育て、数年後に実現できればよいのです。

ものづくりでは、何を創っても苦労をするはずです。でも夢を持ち続け、しっかりしたコンセプトでデザインすれば、必ずテクノロジーがついてきて、洗練された製品を実現できます。創生デザイン学科にはテクノロジーの資源が豊富にありますから、十分にものづくりに取り組めます。

教授 森宮 祐次 肖像写真1 教授 森宮 祐次 肖像写真2

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